We Are

Baiyonによるビデオゲームコンポーザー達とのスペシャルコラボレーションアルバム。
世界中より様々なアーティストとのコラボレーションを収録。

参加アーティスト
Disasterpeace (Fez, Hyper Light Drifter, It Follows)
El Huervo (Hotline Miami, else Heart.Break())
C418 (Minecraft)
Mitsuto Suzuki (Final Fantasy XIII series)
Luis Hernandez (Jazzpunk)
Manami Matsumae (Mega Man 1,2, Mighty No. 9)

We Areというタイトルのあとに「Video Game Composers」と入れたほうがわかりやすかったのかもしれない。でも、コラボレーター達はゲームコンポーザーでもあり、アートを手掛け、ゲーム自体を作り、映画のサウンドトラックを手掛けていて、ゲームコンポーザーという枠に収まらない活動を行っている。
「ゲーム」というキーワードで出会った個性的なコンポーザー、アーティスト達とのコラボレーションの記録。

ビデオゲーム、特にインディーゲームになじみのない人はよくわからない名前がたくさん出てくると思うけど、もし興味を持ったら彼らのゲームを是非プレーしてみてほしいです。そうすればこのアルバムもより面白く感じれると思います。

DisasterpeaceことRich Vreelandはメキシコのツアーで一緒になったことをきっかけに交流が始まった。
ツアーの後しばらくして、彼の名前を一躍有名にしたゲーム「FEZ」のRemixを手掛けてくれないか?というメールが来た。その後、僕はサンフランシスコに行くとバークレーにある彼の家に滞在させてもらうことが多かった。そこは都会から離れたとてもリラックスできる一軒家で、そこにはアップライトピアノが置いてあり、滞在中に僕がシャワーを浴びているとRichがピアノを弾きながら歌ってくれるのだった。それがとても心地よくて、そこから自然にコラボレーションが始まった。
あまりピアノを弾いて歌う、という作品の発表をしていない彼ですが、一曲目がこのようになったのは僕がその心地よさをどうしても表現したかったのが大きな理由。
最近では「It Follows」など映画のサウンドトラックも手掛ける彼の多様性の一部分を引き出せたかなと思います。

El Huervoことスウェーデン人のNiklas Åkerbladはもともと僕が彼がアートディレクションを手掛けた「Kometen」というiOSのゲームが大好きで、いつだったかネットを介して交流が始まった。
「Hotline Miami」ではアートも手掛け、またサウンドも手掛けている彼はとても多彩で独特な雰囲気を持ったユーモラスなナイスガイ。数年前、GDCの会場に向かう為サンフランシスコのMOMAミュージアムの近くを歩いていたら、人ごみの中でポンチョを着た変な男がショーウィンドウを眺めていた。なぜか直感的に気になって、あの人がNiklasではないだろうかと思っていたらまさかの本人だったのはいい思い出。

ちなみにこのアルバムのカバーアートもNiklasに手掛けてもらいました。

C418ことDaniel Rosenfeldは言わずと知れた「Minecraft」のサウンドを若くして手掛けるドイツのサウンドアーティスト。僕がサンフランシスコでDJした時、後ろにちょこんと座って聞いてくれてたのを覚えてる。自然にコラボレーションが始まって、このトラックは彼のアルバム148にも収録されている。

鈴木光人さんは長くビデオゲームのサウンドに携わっているスクウェアエニックス所属のコンポーザー。
といっても田中フミヤ氏主催の「とれまレコード」や、細野晴臣氏の「Daisy world」からもリリース経歴もあるゲーム業界では数少ない本物のテクノを知る人物。
まさに文字通り、テクノ、ゲームというキーワードで出会いそして今回コラボレーションすることが出来た。

トロントを拠点に活動しているカナダ人アーティストLuis Hernandezは確か彼がGDCで彼が作ったゲーム「Jazzpunk」を展示しているのを見に行って、そこから深く付き合うようになったんだと記憶してる。
自分でEMSシンセなどをゲームのサウンドトラックのために自作してしまうほどのギークで今回のサウンドもピッチやリズムが絶妙に不安定な独特のサンプルを送ってくれた。

松前真奈美さんは僕も子供の頃に相当やり込んだ「ロックマン1、2」のコンポーザー。
夏の暑い日に京都の僕のスタジオに来て頂いて僕の持っている古いキーボード、シンセ、ローズピアノなどを使って録音した。
色々録音したのだけど、最初らへんに録音したラフなものが一番良いねと意見が一致してそれをベースに2曲出来上がった。

ゲームコンポーザーとのコラボレーションアルバムを作る、というコンセプトを決めてから形になるまでに結構な時間がかかってしまったけど、いつもとは違う、また挑戦してみたかった様々なトラックが出来ました。是非色々なシチュエーションでアルバムを楽しんで下さい。